グリーンリサイクル
樹木剪定枝のリサイクルについて

はじめに

 近年、住宅地の開発が進み、それに伴って商業施設や学校、病院なとのインフラストラクチヤーの整備が進められるなかで、街の景観整備も活発に進んでいます。そのような術の景観整備の中では、樹木やさまざまな植物が植えられて、街の景観づくりに一役買っています。
しかし、街路樹や公園に植えられた樹木は年々生長するために、メンテナンスを行う必要があります。多くの場合、一年を通して計画的にメンテナンスが行われており、その中には枝葉を切り取る暫定作業が行われています.暫定された枝葉はゴミとして処分される場合が多く、最終処分の方法としては、ほとんとが焼却処分されているのが現在の状況です。
 ゴミの問題は、年々深刻になっています。ゴミをいかに少なくして、再利用を行うかが、とても大切なことではないでしようか。ゴミを減らすという行為は、ゴミを焼却することごで排出されるCO
2の低減もでき、私たちの生活する環境をやることにもつながります。
 私共は、そのような中で少しでも再利用できるものは、積極的に再利用することが必要と考えています.造園の仕事に携わる中で、造園の資材として再利用できないかという点に着目し、樹木の努定枝葉のリサイクルについてご提案したいと考えます。

樹木剪定枝葉の再利用先

 樹木の剪定枝葉にはとのような再利用ができるのでしょうか?
 まず、細かく粉砕することによって大きな材をチップ化します.チップ化には数段楷の工程を繰ることで、用途に合わせた大きさに加工することができます加工された木材チップの利用方法としては、以下の3つが考えれます。

(1)マルチング材としての利用
(2)クッション材と原料としての利用しての利用
(3)堆肥の原料としての利用

マルチング材

チップを均等に植栽等に敷き詰めることにより地中温度を安定化し、土壌の乾燥防止に役立ち雑草の発芽を抑制します。また数年で自然に分解され良質な土壌へと変っていきます。

クッション材

チップを均等に公園の園路等に敷き詰めることにより、快適な歩道になります。

堆肥化

チップを堆肥化施設で培養すると堆肥として生まれ変わります。この堆肥を土に混ぜると、植物の生育に対し、良質な土壌となります。

以上のような再利用品はどのような工程をへて作られるのでしょうか? 次に剪定された枝葉の加工の工程について述べます。

剪定枝葉再利用の行程

 再利用する上で基本となる行程は枝葉のチップ化です。チップ化には2つの方法があり、木材を叩いて砕く粉砕処理と木材を切り削ってチップ化する切削処理があります。
 粉砕処理は、大量に処理でき、太い枝でも問題なく処理できます。また、木材の組繊が破壊されるために土壌還元化が切削処理に比べて速やかに進む点が特徴です。但し、チップの形状は不揃いになります。一方、切削処理は、チップの形状が均一に処理できる点が特徴ですが、太い枝の処理や、大量に処理するには不向きです。

(1)チップ加工処理の方法について

 チップ加工する場合に固定された施投で処理を行う場合と、移動式の破砕機を用いて暫定場所でチップ化する場合の2通りが考えられます。
 ある決まったチップ加工のプラントに剪定材を運搬して持ち込む場合、
1.剪定枝葉を集積することのできるスペースが確保されていること。
2.運搬に使用されるトラック (4t車以上)が通行できること。
3.近隣の住宅に騒音の影響がない場所
以上の条件が整った場所に設置されることが望ましいと考えます。
ここでチップ化された材は堆肥培養施投あるいはマルチング材やクッション材として利用されるべくストックヤードに運搬されます。

 次に、剪定した場所で、移動式、または車載式の破砕機を用いてチップ化する場合は、特に破砕するための施設を準備する必要はありません。チップを直接、堆肥の培養施設へ運ぶか、マルチング、クッション材として利用することができます。作業効率でいえば移動式のほうが短時間にチップ化することが可能といえます。例えば、街路樹を暫定する場合は道路上でチップ化したものを、その場で、植え込みのマルチング材に使用し、残りは堆肥化培養施設に持ち込むことで処理することができます。

(2)チップ材の選別について

 チップ材のようとは、前述の3種類かあります.(マルチング材、クッション材、堆肥原材料)チップは樹木や材の種類によっても、用途を使い分けることが考えられます.剪定材は、針葉樹や太い材、枝葉の多くついた材の2通りに分けます。針葉樹や太い材の場合は腐食する時間がかかるためにチップはマルチング材やクッション材として適していると考えられます。一方、枝葉の多くついた材の場合は腐食が早く堆肥の原材料として適しているといえます。こうして、選別されたチップは、それそれの材の用途目的に応じて、利用される場所へ選別、運搬され、各加工場や利用先で使用されます。

堆肥化について

堆肥化の方法
 剪定枝葉材チップの堆肥づくり利用については、以前から小規模な利用が行われていましたが、最近では自治体でも培養施設を持って計画的に堆肥化を行うところが増えています。
堆肥化の方法としては、水分のみを加えて腐らせる「普通堆肥法」と水分と発酵促進剤を加える「速成堆肥法」、特殊な微生物を加える「特殊堆肥法」があります。堆肥化期間が「普通唯肥法」で約4〜5ケ月、「速成堆肥法」で約3ヶ月程度かかります。
 いずれも、腐蝕によって堆肥づくりを行う方法で、微生物によりチップ材を発酵させることで、堆肥化を進めて行きます。微生物の発酵を促すために、発酵温度を確認して水分量の調整、切り返し(空気の送り込み)といった作業を数回行って発酵させます。

堆肥化の手順

堆肥の利用法
 以上のようにしてできた堆肥は、植え込み地や、肥料分の少ない土壌と混合して、植物が生育するための土壌基盤となります。造園だけでなく、有機農業の土壌づくりにも適しているでしょう。

剪定枝葉材リサイクルの今後

 以上、暫定枝葉材の収集からチップ化、再利用法を簡単に説明させていただきました.私共は、チップ化した発生材をもちいて推肥づくりをおこない、さらに建設残土と混合することで植栽の基盤となる土壌をつくることができないかと考えています。現在の植栽土壌は、山から掘り出した真砂土を使っていますが、年々採集地が減少しています。この植栽土壌が再生産できるようになれば、剪定枝葉材の再利用システムが一つののサイクルとしてまとまりある、完成されたものに近づけると考えます。

理想的な剪定枝葉材のリサイクルシステム

当社のリサイクルプラント

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